静内二十間道路桜並木
本州はすでに葉桜ですが北海道はGW中に咲き始めます。
札幌に移り住んで20年。
新ひだか町静内(しずない)へ桜の咲いている時期に初めて訪れました。
二十間(にじゅっけん)道路は明治36年(1903年)、
皇族方の行啓道路として造られました。
幅二十間(36m)延長約8㎞、直線約7㎞の雄大なこの道に
桜が植栽されたのは大正5年(1916年)から。
近隣の山々からエゾヤマザクラなど移植するのに要した歳月は3年にも及んだそうです。
訪れた5/4はあいにくの雨模様でしたが、
夕方到着した頃には何とか雨も止み、この日は満開宣言が出されていました。
エゾヤマザクラは色が濃いので見応えがあります。
延々と続く桜並木が圧巻です。
想像以上の素晴らしい桜並木に感動。これは来年もぜひ訪れてみたい。
明治期の御料牧場時代には、宮中御料馬、軍馬を拠出していたことから
皇族や高位高官が来場された際の宿泊所として
明治42年に「龍雲閣」が建てられました。
現在、「桜まつり」のこの期間中のみ一般公開されています。
木造一部二階建て、二層の御殿造りで建築に要した費用は4939円17銭。
当時の静内村の年間予算に匹敵するそうです。
質素なたたずまいですが格調高さを感じます。
中は懐かしい感じの設えです。
全体的に天井が高くゆとりが感じられます。
まさかの狩野探幽の屏風があったり、谷文晁の掛軸がかかっていたり、
伊藤博文の揮毫軸があったりと、意外な品々が展示されています。
グラス、食器、カトラリーは当時皇室で使われていたものと同じ物だそう。
お皿の中央にあるいかりのマークが気になって
近くにいたボランティアの方に伺ったら、TOTOの前身、日本陶器の物だそうです。
アメリカのファイヤーキングでいかりマークが使われはじめたのは1960年代なので
それよりも早くデザインで使っていたなんて、さすが。
明治の頃から続く「桜並木」と「龍雲閣」。
当時の人たちの北の地での頑張りを垣間見ることができました。