■金継ぎの術(すべ)
お気に入りの茶碗が欠けてしまいました。
食べ物を入れることができなくなっても見立てて使用したいものです。
陶磁器の修繕には「金継ぎ」というものがあります。
10年以上前に観た中国映画「初恋のきた道」。
この映画でデビューしたチャン・ツィイーの可愛らしさと同様に強く印象に残っているのが
職人が陶器の訪問修繕を行う場面です。
欠けた碗(ラーメン丼ぐらいの大きさだった)をはり合わせ紐できっちりと縛り
外側の割れ筋の両側を2ヶ所ずつ錐で穴を開け
コの字型の鉄の鎹(ホッチキスの針みたいな形)をはめて
金槌でコツコツと静かに叩いて留めていきます。
(逆にひび割れないのー?)と思いましたが
チャン・ツィイーが静かに見守る中、
職人はコツコツ、コツコツ静かに叩いて直していきます。
その様な修繕方法があるのかとびっくりしました。
今でも克明に覚えています。
その後、トーハク(東京国立博物館)で
「青磁茶碗 銘馬蝗絆」、これを観た瞬間、頭の上の電球がピカっと点いた様でした。
「これだよ!」
知識と実物とが繋がった瞬間ほど楽しい事はありません。
4年ほど前に「金継ぎ教室」があるのを知り参加してみると
日本のそれは、中国の「金槌でコツコツ法」ではなく
芸術作品の様な仕上がりを目指していました。
昔の日本人の美意識、すごいです。
そんなことをいろいろ考えていたら
この茶碗、直さなくてもこの欠けがまた味わいになるような。
花一片、もしくは葉ひとひら活けよか。
【2016/2/12】一部内容削除変更
金継宗家と名乗るかたより著作権侵害のコメントをいただきました。
金継宗家様、ご本人かどうかの確認はしておりませんが
私のweb取扱いの認識の甘さは否めません。
ここにお詫びして訂正をさせていただきます。
e国寶内の「青磁茶碗 銘馬蝗絆」の写真、You tube画像を削除しました。
ご迷惑をおかけいたしました。
( 金継宗家と名乗るかたのコメントは削除させていただきました)