サラバ!
読了。
第152回直木賞受賞作です。
通常、直木賞や芥川賞をとった作品はすぐには読まない主義(?)ですが
『10年間なんとか作家をやってきた私の「すべて」です。
(中略)どうか、私の「すべて」を私の想いを、受取って下さい。』
と西さんの言葉が添えられていたら、ASAP読まないわけにはいきません。
『僕はこの世に、左足から登場した。』
この書き始めが効いています。
「僕」の一人称で家族、友人、関わった人々の姿が綴られます。
一人の人間が自分の信じるものを「見つける」物語。
表紙画もいつものように西さん画。
コラージュ的なモチーフたちは予想通り、やはり内容に深く通じています。
ああ、この人の作品はいつもそうだ。
何か体(こころ)の奥の部分をグッとつかまれる様な感じ。
「ふくわらい」■小説holic - ひぐらしPCに向かいてに通ずるものがあります。
下巻後半は泣きっぱなしで読みました。
「見つける」ことに年齢制限は無い。ふつふつといろいろな想いが湧きあがります。
まさしくこれは西加奈子の「すべて」。