■花子とアン 着物考 蓮さま編
ごきげんよう。
内容的なことも述べたいところですが
ここはドラマの中でも重要な役割を果たす衣装、女性陣の着物について。
毎回着物コーディネートを見るのも楽しい。
まずは、ヒロイン花子よりもドラマチックな生涯の葉山麗子こと蓮さま。
女学校編入の初登場シーン。
艶やかな瑠璃紺に大輪の花をあしらったフォーマル感のある訪問着。
半襟も刺繍入りです。桜の花の刺繍でしょうか。
帯は大柄な牡丹の花もようの袋帯。
大正時代はお太鼓を小さめにしたようですが
蓮さまの袋帯のお太鼓はしっかりと豪華です。
桜吹雪の美しさにも負けずキャラクターを暗示するように際立っています。
在学中はやや抑え気味な小紋が多かったですね。
石炭王のもとへ嫁いでからは贅をつくしたお召し物。
指輪も大きな宝石がついています。
一番印象的だったのは年下の帝大生と駆け落ちをして
つつましく生活を始めた時に着ていた京友禅でしょうか?
今まで強い色ばかり着ていた蓮さま、
愛を知った新しい生活にこの着物を選らんだのかと思うと
おままごとのような生活ともどもなんだか切ない。
オシドリのように仲睦まじく暮らしたかったのね。
そして実家に連れ戻され髪を切られ幽閉された蓮さまのところに花子が訪ねます。
髪はざんばらですが万筋模様の小千谷縮に若草色の半幅帯をつの出し風に。
これは現代でも通じる。この組み合わせは素敵です。
しかし、幽閉され投げ出された日本人形のような髪をしているのに
良い着物が見られるからいいの。
蓮さまの着物はほとんどがアンティークだそうです。
スタッフも探してくるのは大変だろうなぁ。
サイズも合わないだろうから直したりするだろうし。
写真Wikipediaより
こちらはモデルとなった実在の人物。
柳原白蓮(本名宮崎燁子)さん。
半襟の刺繍がおしゃれです。
竹久夢二の画にでてくるような儚げな感じの女性です。
大正天皇の従妹ですって。
ビックリですわね。
それでは、ごきげんよう、さようなら。