■粋あるいは紙一重なことがら
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私の永遠のミューズ、ジーン・セバーグ。
この画像は「勝手にしやがれ」のもの。
いわゆるヌーベルバーグです。
最高に粋です。
思えばこれまでの半世紀以上の人生、
私の行動を決めていたのは
「粋であるかそうで無いか」でした。
「カッコつける」は無粋です。
「傷だらけの天使」が放映されました。
そのオープニング映像で
10代多感なお年頃の私はひどく心ときめかされました。
皮ジャンを羽織りヘッドフォン、ゴーグルをつけた
ショーケンが朝、起床。
冷蔵庫からいろいろ取り出し、朝食をとる。
新聞を読むかと思いきやナプキン代わりに襟元に押し込み
トマト、コンビーフの缶詰、魚肉ソーセージを交互に丸かじり、
ソーセージの包装やら口に入った異物やらを
へっちゃらでペッとそのへんに吐き出す。
牛乳のフタを親指でぶしゅっと飛沫も気にせず開ける。
最後にカメラに向かって牛乳を浴びせる。
でストップモーション。
現在ではいろんな事情でこの映像は観られないのですが、
バージョンがいくつかあって
「牛乳瓶のフタを口で開ける」のが通説になっています。
私がリアルタイムで観たのは「指で開ける」バージョン。
これが、ひどくカッコいい。
行儀悪いとも取れますが
10代の私にはものすごく粋に感じられました。
粋であること、カッコいい事を理解した上で
あえて粗野な行動をする、粋さ加減。
(めんどくさ~い!!わけわかんな~い!!)
このドラマ、若かりし右京さん(水谷豊)が
「ふんふんふん、アニキぃ~」と
Gパンのポッケに手を突っ込んで姿勢悪く歩く姿もなかなかでした。
最終回は「真夜中のカウボーイ」の雰囲気をも醸し出していました。
私にとっての「粋」とは
汗水、鼻水たらして無我夢中で通ってきた様をおくびにも出さず
「ごめんなさいまし」と涼やかに切り返す。
(まるで「有頂天家族」の弁天のよう)
さっぱり、きっぱり
って感じなのですが、まだまだだね。
*過去記事