ひぐらしPCに向かいて

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■ギムレットには早すぎる

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約30年前。

(恐竜はすでに絶滅していました)

 

私が所属していたダンスカンパニーの稽古場が

麻布飯倉片町にありました。

そのため六本木はホームグラウンドのような所でした。

まだ、地下鉄日比谷線の駅しかなく

金曜日の夜ともなれば

地下から吐き出されるように人波が続きました。

 

ダンスの仕事だけでは不安定な頃で、

(いや、その後も安定したことなんか無かったけれど)

ロアビルの横にへばりつくようにガラス張りの「ワンダーバー」が開店し

そこでアルバイトをさせてもらいました。

Cash on Deliveryのスタンドバーは珍しく

連日賑わっていました。

 

ランチもひとときやっていて(このスタイルは六本木といえども

日本では無理だったのでしょう。すぐにランチは中止に。)

 

真っ白なプレートにハーブ入りソーセージと少しの生野菜、

バゲット2切れ、粒マスタードを添えて。

エスプレッソとともに。

 

これは、あらゆる意味で私の料理のスタイルの基本になりました。

食材はどれも逸品が選択されていました。

あのプレートとエスプレッソ。

究極のシンプルさでした。

 

キンキンに冷やしたティオペペ

シェリーグラスのどの辺まで注げばナイスか。

ナッツの盛り具合はどうか。

忘れてしまったことが多くても

それらは記憶にしっかりと残っています。

 

「六本木ハンバーガーイン」や

「六本木食堂」(おばちゃんはもういないのでしょうね…)

交差点から防衛庁(旧)方面にむかったところにあったバー「もぐらのサルーテ

みんな無くなってしまいました。

昨年12月に訪れた「シシリア」は残っていたけれど

様変わりしていて穴倉では無く普通の店になっていました。

雰囲気も料理のうち、だったことを思いました。

 

「時代はめぐり

かつて、私を刺激したものたちは

ノスタルジックな思いに変わるけれど

確かにそこにいた。

自分を培っていたものがそこにあった。」

 

 

マーロウをきどって

ギムレット、かな。