■藤田嗣治(ちょびひげの彼)
雨上がりの北海道立近代美術館
『藤田嗣治と愛書都市パリ -花ひらく挿絵本の世紀ー』へ
行ってまいりました。
藤田嗣治がパリに渡った1913年は
挿絵本興隆の時代の真っ盛りです。
画壇で揺るぎない地位を確立しつつも
挿絵本制作も精力的に取組みます。
1920年代、ちょびひげの彼は
30作以上の挿絵本をてがけます。
ピカソでさえ
その半数にも及ばなかったことを考えると
挿絵本が好きだったのでしょうね。
そんな、ちょびひげの彼の
挿絵本を一堂に集め、
なおかつ
エコール・ド・パリの画家たちの
挿絵本や油彩画も展示しています。
いや~~~~
素晴らしかった!!
その中でも強く印象に残ったのは
ジャン・コクトーの『海龍』。
藤田の挿画は25点。
完成度が高い!!!
花魁や日本女性がモダンに描かれています。
線が素晴らしく美しい!!!
『イメージとのたたかい』
ジャン・ジロドゥー著のフランス語で書かれた文章は
サッパリわかりませんが、
藤田の挿画のレイアウトが素晴らしい。
まさに、著者とのイメージが重なっているであろうことは
文章がわからなくてもわかります。
凄い事です。
藤田著の『腕一本』。
裏表紙を見て驚きました。
知っている、この本!
祖父の本棚にあったのを覚えています。
大好きなマティスの挿画も観られてご満悦。
併設展示の『エコール・ド・パリの古典流儀』も
見応えがありました。
ポストカードは
藤田作の猫と
『エロスの愉しみ』の隅っこに描かれている天使たち。
レコードをかけてチャールストンのような
ダンスをしていたり
眼鏡をかけて本を読んでいたり
もう、愛らしい事この上ないです。
あっという間の2時間でした。