■楽園のカンヴァス

「今月読本」の本たち

予想以上の読了感をくれました。

特に

「楽園のカンヴァス」原田マハ/新潮社

ルソーの「夢」をめぐっての

史実にもとづいたミステリともいえる作品。

パワーがあります。

キュレーターでもある著者の本領発揮

といったところです。

私にとって

MoMAは

5年余りのNY生活の中で

自然史博物館とともに

とても大きな存在でした。

主人公織江の少女期に

「アートは友だち、美術館は友だちの家」

なる言葉があります。

私はじゅうぶん大人でしたが

同じ思いを持っていました。

そして「眠るジプシー女」の前で

長い時間を過ごしてもいました。

地下鉄から出たところの

コーヒーショップ

今でもはっきりと

思い描くことができます。

リンクしている所が

多過ぎました。

そして

主人公とひとり娘との

感受性が同じであるところが

読んでいてとっても嬉しかった。

読了が

とても爽やかな作品です。

すぐに本を置くことができず

しばらく

胸に抱いておりました。