若冲展 東京行その2 私の若冲 【追記あり(5/15)】
今回の東京行、時系列で記事をエントリーしようと思いましたが
やはり、観た興奮を早めに記したいので「若冲展」をば。
私が「伊藤若冲」を知ったのは30数年前のNY。
美術、絵画に精通していた人で「Japanese genius artist Jakucyu.」と教えてくれました。
「日本人なのに若冲を知らないのかい?」と言われ
「北斎や国芳は知っているよ。」と言い訳をしました。(言い訳になってない。)
「Jakucyu」・・・知らなかった。
彼が発音すると「jack choooo」って感じで「若冲」と結びつかなかった。
それから数年経ち、東京の本屋で「奇想の系譜」(辻惟雄著)を立ち読みしていたら
「伊藤若冲」が出てきました。
「これか!」とパチリとジグソーパズルのパーツがはまった様につながりました。
ミレニアム・バグで大騒ぎした2000年、10月に「没後200年若冲展」を京都国立博物館へ観に行きました。
現在ほど大騒ぎはされていなかったように思います。そんなに混んでいなかったし。
その後、京都へ行く度に細見美術館や相国寺承天閣美術館等で若冲の画を観てきました。
ラウルに教えてもらわなかったら出会うことのなかった若冲。
日本人の私が知らなくて悔しかったけれど知り得て良かった。
それにしてもラウルはどのようにして若冲を知ったのか、聞いておけばよかった。
そして今回は「生誕300年記念 若冲展」です。
若冲が相国寺に寄進した「釈迦三尊像」3幅と「動植綵絵」30幅が東京都美術館に勢ぞろいです。
こみち (id:kazenokomichi)さんと平日の朝早く、上野の森へと向かいました。
西郷どんは昔のまんま。(まわりの囲いは無かったな。)
すでに長蛇の列でしたが、止まることはなくそのまま大蛇が建物に飲み込まれるように進みました。
場内は案の定すごい混雑。
目当ての「動植綵絵」の展示は2階なので、先にそちらへ。
圧巻。
その一言に尽きます。
「動植綵絵」の中で一番好きな画はこちら。
「紫陽花双鶏図」(図録より)
鶏の描写はこの画が一番丁寧に描かれているように思えます。
アクロバティックな格好で恥じらうような雌鶏、二羽を祝福するように
咲き誇る紫陽花、薔薇、つつじ。紫陽花の青が美しい。
静と動の対比でありながら二羽の動きにつられて
今にも動き出しそうにも見える花々。
ずっと観ていたい。
小説「若冲」(澤田瞳子/文藝春秋)の表紙に使われている「紫陽花双鶏図」は
雌鶏が後ろ向きで振り向いていて、花も紫陽花と薔薇でつつじが無い。
そして「動植綵絵」以外の作品の中で楽しみにしていたのがこちらの「鷲図」。
若冲最後の作品とみられています。
今まさに飛び立とうとしているのか、睥睨する様子の中に寂しさも見てとれる。
アンバランスな構図が心をざわつかせます。
どの作品も見飽きることがありません。
時間が許せば1日中会場にいたかった。
次はいつ会える?
背後、横から常に押されていたので踏ん張っていて、筋肉痛です。
余計なお世話の変な解説と、感想を聞いてくれた
こみっちゃんに感謝。
この後、京都のお寺さんや美術館で所蔵している若冲ものもいろいろ見られるようです。
収蔵作品「糸瓜群虫図」など20数点展示予定。
【京都市美術館】2016/10/4~12/4「伊藤若冲生誕300年記念 若冲の真実展」
【建仁寺塔頭両足院】2016/12/9~2017/1/29「雪梅雄鶏図」特別拝観
【京都国立博物館】2016/12/13~2017/1/15「特集陳列 生誕300年伊藤若冲」
収蔵作品「果蔬涅槃図」など。
【相国寺承天閣美術館】2016/7/10~12/4若冲展開催予定。
収蔵作品50点すべて観覧可能。そのほか若冲ゆかりの作品。
【石峰寺】~2016/5/5「生誕三百年石峰寺伊藤若冲顕彰会 特別展示会」
「虎図」など10点展示。9/1~9/10にも展示予定。命日9/10には法要が。
【5/15追記】
こみち (id:kazenokomichi)さんの「若冲展」記事です。