東京・美術展めぐり3山種美術館「輝ける 金と銀~ 琳派から加山又造まで~」
畠山記念館を後にして地下鉄高輪台駅までの道をぶらり。
早咲きの白ツバキ?
花が平開しているのでサザンカ?(花が地に散っていれば分かるのに)
美しいです。琳派の画に描かれるような優美さ。
こちらはまた紅に黄と仰々しい。
何軒かのお家の庭から咲いていました。(種が飛んだのかしら?)
今回、東京初きのこです。
伐採された樹にサルノコシカケ、立派です。
畠山記念館のお隣(般若苑跡地)には「柔らか銀行」の社長さん所有と
囁かれる白亜の豪邸が。
(白が好きやねんな。)
通用門側でこんなに豪華。
(正面は警備員がいて写真を撮ることが憚られました。)
建築前は住人の猛反対があったそう。
高輪台→五反田→恵比寿。
駒沢通りの坂道を上り、山種美術館に到着です。ぜーはー。
私は身に着ける装飾品はシルバーに限定していますが
絵画における金、とりわけ日本画における金の使い方には常々興味を持っていました。
今回は展示作品の表現・技法に焦点を当て
実際にサンプルを提示するなど、作者の制作意図をうかがい知ることができてとても面白かった。
特に印象に残ったのは
川端龍子 『草の実』です。
(フライヤーの裏書で見づらいです。そして「りゅうし」です。)
濃紺の絹地(ほとんど黒)にススキや女郎花など秋の草を金泥主体で描いています。
金・銀は地や余白の装飾に使われるものが多いのですが、
これはズバリ、主題のモチーフに金・銀を使用しています。
もう絵具として金・銀を使っています。
このあたりが龍子らしい大胆さです。
次回は龍子記念館も訪れなければ。
(大昔、一度訪れた時は「かわばたりゅうこって誰?」などと…
館内で画を見た瞬間、心の中で土下座して謝罪。その超絶技巧、大胆さに感嘆しました。)
もう一枚は
牧進『春颯』(まきすすむ・はるはやて)
(図録からの写真で分かりづらいのがくやしい。)
龍子のお弟子さん。
作者の言葉が添えられています。
『下地にプラチナを使った理由は、金・銀を含め輝く性質の画材には、描く対象を「動き」のあるように見せられる効果を持つと考えているためだ。』
輝きは揺らめきであり、揺らめきは動きなのだ。
う~ん。スゴイ。シンプルに見えるがかなり手が込んでいます。
蝶が風に煽られている様に既視感が。
そうだ!6年前に観た「井上雄彦最後のマンガ展」での
壁に何気なく描かれた蝶だ!この余白感が同じなんだ!
すごいな、井上雄彦も。空間→動きの様子が想像できる。
会場には金・銀の箔や泥に用いる道具や材料の展示もありさらに知識が深まります。
11/16(日)まで。じき終了ですが期待以上のものが得られます。ぜひ。
そして山種といえば「カフェ椿」。
今回は「鶴と波」をチョイス。
宗達と光悦の『四季草花下絵和歌短冊帖(千羽鶴)』からインスパイヤ。
菊家さんはいつも素敵な和菓子を作ってくれます。
しかし錦玉の鶴の姿が飛翔ではなく下降しています。(笑)
カフェのお姉さん、お皿の向きを間違えたね。
せっかくの美術館カフェですもの、こだわりを持ってほしいな。
他の和菓子も素敵です。
http://www.yamatane-museum.jp/doc/cafe_140922.pdf
【追記】
よくよく見たら、鶴は下の2羽(2枚)は上昇、1羽だけが下向き。
これは職人さんのミス?
お姉さん、ごめんなさい。